ぬぬさぁーの話

  • vol.02

    てぃーへーさ美さ

    産地組合での括りの研修を受けていたときの話です。
    括りというのは糸を縛って染料が入らないように防染し、柄の部分を作っていく絣織物の根幹となる作業です。
    括りと一言に言ってもその前の図案から種糸とり(緯絣の元となる糸)、整経、経絣の糊張りなど工程は多岐に渡ります。そこで失敗してしまうと最後まで影響が出るので慎重に作業します。
    失敗しないよう丁寧にと慎重に作業していると講師の先輩職人から『てぃーへーさ美(ちゅら)さ』の言葉を教えてもらいました。

    「手が早い人は仕事がキレイ」という意味です。

    某パティシエの動画を見たときに、同じようなことを話していました。

    ロールケーキのクリームを塗る作業の時、「丁寧にやろうとすると上手くいかないよ、ある程度手早く、パッパとやると仕上がりもキレイになるよ。」

    作るものは違っても通じる部分は多くありますね。

    『てぃーへーさ美さ』
    南風原ではそういった教えが多くあります。

    先人たちが積み重ねてきたことが言葉として残っています。

     

    (大城 幸司)

    *ぬぬさぁーとは布を作る人という意味の方言です。

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